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投資・貯金を始める前に/目標額を決めよう

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貯金方法

貯金や投資を始める前に、改めてあなたが貯金や投資信託、株、FXなどを保有する目的を考えてみましょう。
保有する目的は、ライフプラン上の目的から次のような4つのタイプに分類することができます。

1.準備資金:突発的な支出への備え、病気・災害への備え、納税準備資金
2.短期資金:旅行・レジャー資金、耐久消費財の購入資金、数年以内の結婚資金
3.中長期資金:機関がある程度長い子供の教育資金や老後生活資金
4.利殖資金:余裕資金で増やすことを目的とするもの

下記でそれぞれの資金について詳しく見ていくこととしましょう。

1.準備資金

何が起こるか分からない将来に備えて一定額用意しておくものが準備資金です。
この準備資金は何が起こるか分からない将来に向けて備えておくものなので、どのタイミングで必要となるかといったことが分かりません。
そのため、いつでも簡単に手数料不要で現金化できるように準備しておくことが必要です。

また、準備資金は何に使うことになるのかも予測不能なため、いくら用意すべきなのかも検討がつきにくいというのも特徴です。
ですが、必要以上に準備資金を用意しておくのは、他の投資に割く資金が減少してしまうため効率的な資産運用を阻害する恐れがあります。
ですから、過去の入出金の実績などから安心できる額を残しておき、他は短期資金や中長期資金に回す方ようにしましょう。

また、準備金にいくら用意すべきかというのは下記の項目についても考えておくと良いでしょう。

<病気・災害>

いつ何が起きるか分からないものの代表に病気や災害があります。
病気や災害に備えて準備すべき費用としては以下のようなものが考えられます。

1.けがや短期間で退院できる病気の費用
2.不測の事故などがあった場合の費用
3.長期入院を要する病気になったり、家族の介護が必要な場合の費用
4.地震・洪水・津波などが発生した時、数日間(数か月間)暮らしていける資金

上記の費用から民間の保険や公的保険でカバーされる金額を差し引いた金額が病気や災害で必要となる金額です。

<失業など>

病気や災害に加えて失業も考えられます。
失業の場合、雇用保険に加入していれば一定の条件に基づいて失業時に基本給付が出ますが、それだけでは生活するうえで十分ではありません。
また自営業の場合には雇用保険はないため、自営業の場合にはより多く準備しておく必要があります。
失業に備えた資金としては、一般的には月の生活費の6ヶ月から1年分程度の資金を持っておくと良いと言われています。

<その他の突発的な支出>

他にも葬式・結婚式など冠婚葬祭行事への出席、家電製品や自動車の故障の修理など、突発的な支出が考えられます。
こうした支出は予測がしづらいですが、家計簿の記録や耐用年数をもとにして準備しておくということができます。

2.短期資金

短期資金は数年以内に起こると予想されるライフイベントなどに備えて準備しておく資金です。
たとえば旅行、家電製品の購入などが考えられます。

こういったライフイベントのために準備する資金は、予定した金額をしっかりと確保しておかなければならないという特徴があります。
なぜなら、予定されていた金額よりも準備した資金が減ってしまうと、そのライフイベントを諦めなければならなくなってしまう可能性があるからです。
ですから短期資金を貯めるためには、なるべくローリスクで元本割れになってしまうような方法を避けるようにしましょう。

この短期資金にあたる資金としては以下のものが考えられます。

<旅行・レジャー資金>

いつどこに行くのか(何をするのか)が決まっているばあにはその金額を、特に決まっていない場合には毎月一定額を積み立てていくのが一般的です。
また、旅行に際する積み立てとしては各旅行会社で販売されている旅行積立も活用可能です。

<家電製品や自動車などの購入費用>

買いたいものが決まっている場合にはその金額を基準に積立額を決めます。
しかし、実際に買うときになると想定していたものよりも高いものを買ってしまう傾向にあるので、実際の価格よりも少し多めの金額を目標額に設定しておくべきでしょう。

3.中長期資金

中長期資金は、5年以上先に起こると予想されるライフイベントに備えて準備する資金です。
たとえば教育資金・住宅資金・老後資金などがこの中長期資金に入ります。

この中長期資金は、必要となるまである程度の期間があるので、どの程度のリスクをとることができるかを考えた上で、ある程度の収益性を狙って運用していくことになります。

たとえば、子供の大学入学に備えて資金を準備する場合には、一部は積立定期や学資保険・子ども保険など安全性が高い金融商品で運用しつつ、一部は投資信託で積み立て投資をしていくという方法が考えられます。
また、かなり先の老後資金に備えるという場合にはより収益性を高め、投資信託や株などで運用するということも考えられます。

このように中長期資金は比較的リスクの低い金融商品とリスクが高いが収益性も高い投資との組み合わせによって、必要な額を積み立てていくのが一般的です。

4.利殖資金

利殖資金は先の3つの資金とは違って、積極的に資産を増やしていくための資金になります。
この場合、株やFXなどの比較的リスクの高い金融商品で運用することが一般的です。

株やFXなどを始めると実現するかもしれない大きなリターン(収益)のことばかりに目が向きがちですが、その裏でリスクもあるということを常に頭に入れておかなければなりません。

株やFXでは投資した金額が全てなくなってしまう可能性や、場合によっては投資した以上の金額がなくなってしまう可能性があります。
こうしたリスクをとりたくない場合や、リスクを取ることができない場合には、まずは先の3つの資金を充実させることを優先すべきです。

また、リスクや損失を最小限で抑えるためにも、運用する場合にはいくら損失が出たら投資をやめるなどの損切ルールを予め決めておくようにしましょう。

貯蓄の管理表をつけるのも有効

上記のような資金を貯めていくにあたって、一目でどのくらいの資金が溜まっているのかを確認できる貯蓄の管理表をつけるのもおすすめです。
とくに形式は決まっていませんが、以下のような形で目標額・現在高、何のための資金かが一目で確認できるようにすると良いでしょう。

(貯蓄の管理表の例)

貯蓄の目的資金の性格現在高/目標額(万円) 
病気・災害への備え
日常生活資金
準備資金100/100
40/40
<過去の実績>
日常生活資金(昨年平均35万円/月)
旅行・レジャー資金
耐久消費財の購入資金
子どもの教育資金
短期資金10/10
10/10
0/180
<過去の実績>
一時的支出 大型家電購入20万円
<将来計画>
3年後(3年間×60万円)
住宅購入・増改築資金
老後の生活資金
中長期資金800/2800
0/2500
10年後(10年間×200万円)
20年後(20年間×125万円)
できるだけ殖やしたい利殖資金200/—<過去の実績>
昨年上期+10万円、昨年下期+5万円

(表は金融広報中央委員会発行『金融商品なんでも百科』より)

この貯蓄の管理表は、毎日記入するものではなく、毎月・毎年など決まったタイミングで表に記入していくようにします。

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